髙橋海人くんについて
平野くんのファンである私から見た、髙橋海人というアイドルについて。
カイちゃんは、甘え上手な弟属性である一方で、表現力の鬼。
正直、キンプリの中で1番ビッグになる素養があると思っている。
私が平野くんのファンになってから、その成長をリアルタイムで見届けた中で最も大きく変化を遂げたと感じるうちの1人である。(もう1人は大西流星くん。)
それは、年齢的な要素が大きいことは否めない。
平野くんは17〜22歳(現在)を見てきたのに対して、カイちゃんは14歳の頃から見ていた記憶がある。
というか、見ざるを得なかった、入所するやいなや、いやでも話題に上がるようなスーパールーキーぶりだったからだ。
しかも、あのハイトーンすぎるボイス。ゴリゴリのストリート系の見かけで、話し始めたらフワフワボイスである様子に皆んながザワついていた覚えがある。
ただ同時に、当時私が目にしたのはカイちゃんに対する"批判"だった。
いきなりジュニア歴の壁を超越して、センターに立ち、マイクを持って歌い踊る彼に対して、
すでに人気を博している"先輩ジュニア"ファンからの反感はあからさまなものだった。「オキニ」と皮肉めいた(やっかみにも似た)発言を投げつけられていたように思う。
合わせて、紫耀くんや廉くんとドリボで共に活動する機会が増えれば、
関西からも「れんしょうを返せ」などという声が上がっていた。
別にカイちゃんが、彼らを東京に呼びつけたわけではない。
彼らのキャリアパスの途上に、上京があっただけだ。
キンプリが結成されれば、同時に一部の過激なプリ担さんから「MAGICを解体させた!!!」と怒りの矛先はキング3人に向くこともあった。
そうか、カイちゃんは東からも西からも、外様として言葉の刃を突き立てられるのか、と驚いた覚えもある。
そう、彼は何も悪くないのに。
運といえばそれまでなのかもしれないが、その後も納得できない場面は多くあった。
カイちゃんはただ、一緒に活動する紫耀と廉を、好きだと声に出して言ってくれているだけなのに。
やり場のない思いをぶつけるには、格好の対象だったのかもしれない。
だが、当時彼はまだ中学生だ。
幼いながらに細かいことを嫌味のように指摘されたり、批判されたり、時には毒のある言葉を突きつけられ、
辛い思いもしたのだろうと思う。
ダンスが好きでたまらないとはいっても、
彼が踊りたかったダンスではなかったかもしれない。
いつ辞めさせてくれるのかと親御さんに泣きついたという話には、やっぱり胸が苦しくなる。
そんな中でも、彼は絶えず「紫耀と廉が好きだ」とハッキリ言葉にしてくれていたし、
キンプリ結成後は、初めて所属できたグループだからと大切にしたい意向を表立ってしたり、再度集った際にはお揃いのミサンガを作って渡したりなど(廉くんは付けていなくて責められていたね、小競り合いするれんかい可愛い)
恐れず愛を表現してくれる強い人だった。
Mr.KINGとしての活動中に、3人それぞれが別々で頑張ることとなった2016秋には、
ドリボ劇中でHi Hiの4人(当時)とJohnny's 5だとかいうグループを組まされオリ曲を与えられた時も、はしみずとともにRの法則にレギュラー出演が決まった時も
勝手に不安に駆られる私たちに向かって
「Mr.KINGのメンバーとして」という趣旨の発言を繰り返ししてくれていたよね。
その言葉に、何度救われたことか。
その帰属意識に基づいた意思表明の意味を彼自身が分かった上で、無邪気さを盾にしてでもしてくれたことに、感謝してもしきれない。
それは、平野くんがその当時、断じてしてくれなかったことだった。
カイちゃんは、やっぱり2人の足りない部分を補ってくれる存在だったのかもなーと思う。
しょうれんがお互いの距離感に戸惑って、はたから見た時に仲が良くないのでは?と言われていた時代(私は別にそんなに疎遠だったとは感じていない。男の子ってそんなもんでしょと思って見ていた。)も、間に入って仲をつなぎとめてくれていたのは、彼だった。
カイちゃんの功績って本当に偉大。
すごく賢いなと思う。
ただ私は、その賢さは平野くんとは全く違う種類だと思っていた。
キング3人で話すときの最初の印象が
「一拍遅れて笑う子」
だったのだ。
頭の中で、言葉を咀嚼して飲み下してからリアクションする人なのかなと思っていた。
しょうれんが2人してマシンガンのように言葉を繰り出すタイプなだけに、
カイちゃんだけ取り残される瞬間もあったように記憶している。
それが、共に過ごす月日の力は甚大で、
いつしかカイちゃんも凄まじいスピード感で話すようになった。
口調はいまだに穏やかでゆったりしたものだが、ツッコミが的確で鋭くなったし、
間が心地いい。
天性のリズム感もあると思うが、あの2人と会話をし続けていれば、そもそも柔軟な対応力のあるカイちゃんならそりゃそうなるか、と納得の仕上がりである。
ダンスのみならず、普段の会話の中でも
平野くんと2人でリズムで共鳴している瞬間に立ち合うと、めちゃくちゃ興奮してしまう。
カイちゃんが「紫耀の弟」としていてくれたからこそ成せる業だと感じるからだ。
そこまで心を開いていなかったはずの紫耀くんに、上手に甘えて、上手に満たして、上手に似てきて笑、本当に完成された関係性だなと思う。
めちゃくちゃ賢いし、勘がいい。
はじめての主演ドラマ、「部活好きじゃなきゃダメですか?」での西野役は、
その勘の良さの真骨頂ともいえるようなお芝居だった。
彼の普段のキャラクターからはかけ離れたタイプであるはずだ。
はじめて配役を聞いた時には、あまり想像ができなかった。カイちゃんがクズ?サボりたい?え??コツコツ対策してテストで満点とる人だよ?正反対じゃーん!と思うなどした。
だけど、蓋を開けてみれば、すごく自然体で、そのさりげなさがさらにかっこよくて。
はっきり言ってめちゃくちゃハマった。じぐいわの2人も流石の愛らしさであったが、私個人は西野が見たくて毎週楽しみにしていた節がある。
私の母は、「芝居を受けるのが上手いね。それってなかなかできることじゃないから、絶対重宝されるよ。」と言っていた。
彼の伸びしろは計り知れない。ドラマ向きなのではないだろうか。もっとお芝居の仕事が来てもいいのに、と思う。
さらに、彼の歌声は「表現者」のそれである。
声に表情がある。
透明感のあるクリアな歌声というわけではないが、何かを語りかけるような歌声なのだ。
歌によって、載せる感情が違う。
まるでパレットの上に絵の具を乗せていくように、この曲にはこのテイスト、この世界観にはこの声色、という七変化がピッタリはまる。
これぞ、アイドルの歌声。
ハロプロも好きな私にはその表現力がたまらなく響くらしく、
CDの音源を聴いていても、カイちゃんの歌声を聴くたび「好きだなー」って思う。
そして、ダンスももちろん。
まず、踊っている時の表情が豊かだ。彼は表情ひとつで、色気も、可愛さも、明るさも、憂いも、余裕も、すべてを表現してみせる。何よりいつも踊っていることそのものを100%楽しんでいるのが伝わってくる。表情も含めてダンスなのだと、彼を通して知った。
また、バリエーション豊かなのは表情だけではない。そのモーションもである。
キラキラ可愛らしい歌では、彼の動きにキラキラ✨シャラララーン✨と効果音でもつきそうなくらいに、妖精のような動きをする。
かと思えば、一度ブラックな曲になると、途端にKAITO TAKAHASHIのスイッチがオンになる。その段になってやっと、そういえばこちらの方が彼の得意分野だったのだと思い出される。彼にしか作れない世界観がある。それが繰り広げられれば、一気にその世界観に引き込まれる。例えるならば、ブラックホールに飲み込まれるような感覚。天才なのだ。これは不可抗力だ。
伊達に日本一になってないなぁと思う。
表現者としてステージの上に立ち続けた彼の生きる様は、全てが何かを表現するためにある。
さらには、全てを分かった上で、何も知らないふりをして、素直な言葉をくれる。
彼のことを分かったように思っているのに、本当は彼の思うツボなのかもしれない、と思わされる点で、平野くんとカイちゃんはソックリだ。一本の筋で繋がっている。
これはデビュー後に気づいたことだが、意外と感情を表に出さないでいられる、演じられる人でもあるのだなと思う。なんてことだ。
逃走中では、しっかりヒットを打ってくれたカイちゃん。
でも、カイちゃんのポテンシャルを思うと、今はまだまだ見つかりきっていないなと思う。キンプリって本当にすごい逸材を抱えすぎている。あぁ、、、これからが楽しみで仕方がない。