JOHNNYS' Island
ちょっとの間、時間ができたので、思いつきでブログを書いてみることにする。
今回のジャニアイについて、思い出せる限りを記録していきたい。
今回の舞台は、発表される前から「ドリボをWゆうたがやり遂げたんだ、キングにも冬の帝劇を…!」という痛切な願いと、「これまでも守ってきた」というある種の確信があった。
それでも、発表された時は心の底から嬉しかった。絶対に行きたい、何としてでも入りたい、そう思った。
ここまで執着心が沸いたのは、もしかするとジャニフワ以来かもしれない。
スノストはデビューを控えているため出ない。トラジャもJUMPのツアーについていて、帝劇には出ない。今回舞台に立つメンバーの平均年齢はグンと下がった。
なんと、平野くんが最年長だというのだから、驚きを隠せない。
また、もう一つ今までとは大きく違うことがあった。
ひろむが、旅立ってから初めての冬の帝劇だ。
ひろむが大切に大切に守ってきた舞台。その舞台を、帝劇で出会い、帝劇で大事に育ててもらったキングが座長として請負う。
これこそ、ひろむへの追悼だと思った。
その後発表されたタイトルが、「JOHNNYS' Island」と原点に立ち戻ったものであったことからも、尚のこと期待は膨らむ。
変な装飾のない、純粋な、ジャニーさんから引継ぎし想いを表現する舞台。
実際に、初めて見た時の感想は「随分とスッキリしている…!」というものだった。
だけど、確かに華やかで飽きることのない、良質な舞台。
なにより平野くんの表情が、柔らかく、美しく。
母性にも近い、全てを包み込むようなその空気に、涙が堪えきれなかった。
初観劇の日は、正直平野くんが出てくる度に泣いていたと思う。
彼の立ち振る舞いは、彼自身がここに立つことを望んで、ある種の意識を持って、覚悟を持って、そこに立っていることを示していた。
特別な何かをするわけではなく、その立ち方そのものが、だ。
本当に、ここに立つことを選んでくれてありがとう。
毎日同じことを繰り返す舞台は、彼にとってどれほど過酷なものだろう。
それでも、ここに立つことを選んでくれた。
ひろむの意志を、後世に伝えたい、と。
ヒロムが亡くなってから、自発的に愛を叫ぶようになった。
いまや、共に交わした夢でもある「海外進出」という目標こそが、彼を支える柱となっている。
そんな平野くんが歌う、『あの日』。
星たちが囁いてる
あの日のこと いつまでも想い出にできない
暗闇に悩まされる
別れの訳を 寄り添って 離れようとしない
掌から溢れて 初めて気がつく
失くしたものの 大きさを
この胸から消えて 孤独に気がつく。
心臓をギュッと掴まれたような心地になった。
これほどまでに今の状況にピッタリな曲はあるのだろうか。
私は初日から一週間、入ることはできなかったが、
その間ずっと平野くんは、ただひたすらに号泣しながら歌っていたのだという。
私が初めてみた時、お友達に「紫耀くん、泣いてなくてちょっとホッとしたね」と言われた。その言葉で初めて、それまでのことを知った。
どれほどの喪失感であろう。
こうして舞台上で表現することで、昇華出来たらいいなあと思う。
きっと、おじいちゃんも、喜ぶ。
こんなふうに考えるなんて、3年前の自分が知ったらさぞかし驚くことであろう。
平野くんの悲しい気持ちを、売り物にするな!デビューさせてくれない、鳥籠に閉じ込めたままの、そんな歪んだ愛情なんて…!
と自棄になった時もあった。
これだけ彼が、自分の身を削って演じても、大してメディアにも取り上げられず、取り立てて大きな成果(定義にもよるが)に結びつくこともなく、ジャニオタとひろむの間だけで消費されて…と皆んなで頭を抱えたものだった。
おじいちゃんは、本当に大切に思っていたのだ。
数字を競わされる世界に、我が子を送り出してしまうことさえ、彼にとっては悲劇のひとつだったのかもしれない。
「今でも十分やっているのに」
そうひろむは言ったという。
そうだ、誰にも害されることなく、誰にも傷つけられることなく、自分の腕の中で大切にしておきたかったのだ。
でも、我が子たちは「あの人に認めて欲しい」「認めてくれた証が欲しい」と願った。
それを、直接相談することにした。
結果的に、その決意が歴史を動かしたのだから、我々は歴史の証人なのだと思う。
そんなことにまで、想いを馳せずにはいられない。
最後に平野くんは、ジャニーさんがよく座っていたという席を優しく触りに行く。
真っ直ぐに。脇目も振らず。
帝劇の0番で華麗に舞い、優雅に舞い、堂々と歌い上げている、その彼の目にはただ1人、ジャニーさんがうつっている。
彼は彼を思い、パフォーマンスし続けているのだ。
何も知らない人から見たら、何とおどろおどろしい文章だろうか。
ただ、この美しい親子愛に、他人の付け入る隙などないのだ。
今日が私の、最後の観劇になる。
大好きな帝国劇場で、最高のパフォーマンスを見せてくれる平野くんを、
心に、瞳に、脳裏に、焼き付けてまいりたい。